荒涼の眠り

2003年10月1日
いま、突然に気が付いた
自分が骨格で立ち尽くしていた事に

両耳の裏側から、風がシゥ…と鳴る

足の裏の面積だけが支える垂直となった意志の形
これだけだ
肉の内部で心など見た事が無い
感覚を殺して作った言葉だけが在る
その糸で心の模型を紡いでいるだけだ
だから立ち尽して朽ちていける

風が吹き上げていく
巻き込んで抱きしめて捉えられる言葉の糸
下から上から、そして奥深くから沸き起こって来る風
糸を吹き抜けていく細い音楽

空から見た風景の記憶も、確かに在るはずなのに
風が吹く度に薄れてしまう
髪を梳き、指を絡める風の糸、四肢さえも虚ろだったのか
もう糸は切れた
ただ直滑降で空を横切り失墜していく

何か花を見かけたらしい
きっと、これが最後の記憶

春の痕

2003年3月1日
書類の文字にまばたいて
握り締めていたボールペンを置く動作
繰り返し
下界から吹き上げられていく
桜の花びらたちの白いドットを見送っている

どぅん…とビルの窓ガラスが鳴いた

点の水平線を覗かせる
向うの海では、きっと
透明な稚魚たちが光ってる
斜めの断線が揺れながら

いま横切った直滑降のクロアゲハは
向うの夕陽を見に行くのだ

今日、一番初めの春が終わる

冬の星の光の

2001年1月23日
振り仰ぐ
仄かに明るい夜空

白く光る星
ひとつ
またたかぬ強い光で
凛と

直線の力で指差してくる
この瞳孔の闇ふたつ

遮る瞼の
薄さを恥じる

眠りの泡

2001年1月22日
もういいや、と思う事と
まだいいや、と思う事で
今日への均衡が
震えながら繋がって行く

身の内から
いつまでも立ち昇ってくる泡
それも、どこか深海からだとは判っているのだけれど
私の何故なのかが怖い

眠れない癖に
眠りに焦がれているのは
意識の奥の底
青に澄みきれない水の淵から
モールス信号が届く
ぷつぷつと言う呟きの煩さ

明日の来る痛み

削除

2001年1月21日
重複してました。
削除します。

…とほほほほ。

渇きの海

2001年1月19日
私の花には
お日様の光がわかるから

私の風には
森の上を波打ちながら走らせるから
私の雨には

その花が咲いて新芽が輝くから
もし、そうなれたら

岩を丸く洗い清めながら行こう
海へ出よう 満ちる海も水の無い海も
ここにある

この身体で
始まるものと終わるものを
ここで静かに壊していこう

言葉だけ

2001年1月18日
空気のあるところ
ここで
響いていく波動
知っている
鼓膜で
唇の動きで
重なり合う舌のうねりで

わかりあえない
わかりあえないと

海は、未だ抱いている
空は、未だ包んでいる

深夜に響く
ピアノの一音
私の言葉だけ

ちょうど

2001年1月17日
…ああ、こんな速度だった…

思い出して、次の歩を踏んだら
感じた瞬間には判らなくなっている

この欠落は初めてではない…

雑踏の商店街で立ち止まった
夜浅い時間の匂い

なんの速さだったのか
あるはずの記憶なのかも定かではなく
残像すら掴みそこねて

だが、確かに
途方に暮れる指の間を風がくぐっていく
ちょうど、こんな速度で
遮断機が降り始める
いきなり「青い表紙のノート」で書き込みできなくなってました。
これもそれも、パスワードを忘れたってのに、あのメールがいきなり使えなくなっちまうからー。
急遽、昔のヘタレ話日記を改造しました。
…季節感は…もう気にしない事にします。
とほほほほほ。

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