てのひらのかみさま

2003年10月4日
一度森の中に入ってしまえばいい

一度座り込んでしまえばいい

黒灰色の夜は、粘るよな氷雨

脛の骨から冷えて来て、枯葉にもぐれば

湿った土の粒と匂いが喉の奥に満ちる

約束だけで生きる時間を騙してきたけれど

それさえも辛い

かみさま、どこにいらっしゃいますか

かみさま、なにをごらんですか

かみさま、私に死ぬなと仰せになれますか

ここでは逢えない

無力な可哀想な、私のかみさま

もう自由だから、そう言ってあげたいのに

いつのまにか瞼を開けていられない

手も握り締めてはいられない

星の形の水蒸気が散って行く

てのひらだけは、ああ

まだ暖かかったのにねえ

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